見通し(東京市場 為替) ドル安・円高推移想定、リスク選好強まりにくい

2014年05月01日 08:02

NYタイムではドルが下落。米1-3月期GDPが前期比年率+0.1%と、市場予想の+1.2%を大きく下回ったことが嫌気された。ドル円はGDPに先立ち発表された米4月ADP全国雇用者数が22.0万人増となり、週末の米雇用統計に期待をつないでつけた102.67円から反落。米長期金利が低下幅を広げる動きにあわせ102.03円まで下落幅を広げ、25日以来の安値をつけた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果にサプライズはなく、量的緩和第3弾(QE3)の米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の月間購入額が予想通りそれぞれ50億ドルずつ縮小された。一方、QE終了後も相当な期間にわたって低金利を維持する、極めて緩和的な政策が適切であることが再確認された。ユーロドルは米GDP後のドル安で1.3877ドルまで反発。ユーロ円は141円半ばから後半レンジで上下した。
 東京タイムも、為替は米GDP後につけたドル安・円高水準を引き継いで推移しそうだ。株価も、為替が円高水準で東京市場に帰ってきたことから、最高値を更新したダウ平均など米株式市場の堅調さに追随しにくい。本邦金融市場ではリスク選好の株高・円安が強まりにくいだろう。本日の海外タイムに、注目度が高い米新規失業保険申請件数、米4月ISM製造業景況指数ほか、多くの経済指標の発表を控えていることは、東京タイムの積極的な取引を控えさせる要因になるかもしれない。中国4月製造業PMI(予想50.5、前月50.3)や豪1-3月期輸入・輸出物価指数を受けたオセアニア通貨の動向を通じた円相場の反応を注視しつつも、ドル安・円高水準の継続を想定して臨むことになりそうだ。