見通し(東京市場 為替) ドル円は調整主体 休日のはざ間で静観も

2014年04月28日 08:00

25日のNYタイムではウクライナ情勢への不安から、リスク回避の株安・債券高・円高が進んだ。オバマ米大統領は欧州首脳らとの電話会談で、米国はロシアに対する制裁を強化する準備があると述べ、メルケル独首相はジュネーブ合意に基づくプロセスは破綻し、G7として対ロシア協調行動を準備中であると発言した。ダウ平均は140ドル下落し、米10年債利回りは17日以来の水準となる2.642%まで低下した。
 ドル円は17日以来の102円の大台割れで101.96円まで下押し、ユーロ円は141.03円までレンジ下限を広げた。一方で、ユーロドルは底堅い展開。ドル円下落に伴うドル安と、ユーロ圏の短期金利上昇が下支えとなりユーロドルは1.38ドル前半で推移した。
 先週末は東欧の地政学的リスクが意識されて海外では株価が軟調に推移。西側諸国が経済成長へ配慮するとみられることから、ウクライナ情勢が急速に悪化する可能性は低いだろう。しかし欧米が本日にも追加措置を発動する見込みであり、徐々にロシア包囲網が狭まっていることも事実で、市場の緊張は継続している。そのため、リスク回避ムードは残り本日の本邦株式市場も上値が重くなりそうだ。ドル円・クロス円も株価動向をにらんで、調整方向の流れが主体となるだろう。ただ、明日から日米欧の主要イベントが続くほか、本邦勢は休日のはざ間とあって積極的な取引は見送られそうで、ドル円・クロス円の下値が広がるかは微妙だ。欧州勢が参入してくるまでは、様子見ムードが強まる展開もあるだろう。