見通し(東京市場 為替) ドル円の重い地合いは継続、中国PMIに注目

2014年05月22日 08:06

NYタイムの為替市場はドルが「いって来い」。ECBのマイナス金利政策をめぐる警戒心からユーロ売りが進む中で、幅広い通貨に対してドル買いが先行した。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で「金融政策の正常化について議論」したことが明らかになると、ドルは一段高となった。しかし、同時に「正常化に関して決定された事項はない」、「雇用を促進してもインフレ懸念はないと判断」、「弱い住宅市場のリスクを指摘」など、当局側が慎重姿勢を崩しておらず、早期の利上げ期待は後退。ドルは終盤に上げ幅を縮めた。また、ダウ平均が昨日の下落分を取り戻すなどリスク回避の流れが巻き戻され、円の上値も重かった。ユーロドルは一時1.3635ドル、豪ドル/ドルは0.9209ドルまで下落し、ドル円は株高やドル高を手掛かりとしてFOMC議事録公表直後に101.63円まで上昇した。
 日銀金融政策決定会合や黒田日銀総裁の記者会見、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を通過し、ドル円は101円半ばで推移している。黒田総裁の会見で追加緩和への思惑が高まらず、ドル円は一時、年初来安値に迫る100.81円まで下押した。緩和期待の後退で円売りが進まず、米国の早期利上げ観測も強まらない現状下、ドル円の煮え切れない相場展開がしばらくは継続しそうだ。プーチン露大統領が昨日、ウクライナとの国境付近に展開していた軍を撤収する方針を確認したことや、米株が大幅反発したことは、ドル円の下支えとなりそうだが、米長期債利回りの戻りが弱く、大幅反発は期待できそうもない。東京タイムでは、101円半ばを中心に101台での動きが続きそうだ。本日は中国5月HSBC製造業PMI・速報値の発表が予定されており、さえない結果となれば、中国の景気減速への懸念からリスク回避の円買いが強まる可能性はありそうだ。