見通し(東京市場 為替) ドル円 200日移動平均線の攻防継続

2014年05月20日 08:02

NYタイムでは円買いの流れが一服。米株式市場の底堅さや、米長期金利が2.54%台へ戻したことで、リスク回避的な円買いは後退した。ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁は「量的緩和(QE)は今年の後半には終わるだろう」、「来年、金利正常化のために利上げが実施される可能性」と述べた。ドル円は101円半ばまで水準を切り返した。ユーロドルは上昇幅を縮小。前半に、メルシュECB理事が「ECBは緩和のためのツールを複数持っている」、「標準的な手法と非標準的な手段の両方を用いるだろう」と発言したことを受けて、1.3700ドル付近まで下押す局面があった。売り一巡後は1.3734ドルまで上昇幅を拡大した。
 本日の東京タイムで、ドル円は上値の重い地合いが継続しそうだ。米長期債利回りが上昇したことは支えとなるも、リスク回避要因も多く、足もとのドル円は反発力に欠ける相場展開が予想される。25日のウクライナ大統領選挙を控え、リスク選好ムードが広がりにくいなか、ベトナムでの反中国デモをきっかけに、中国とベトナムの緊張感が警戒されていることも、ドル円の上値を重くしている。ドル円は昨日のロンドンタイムで2月5日以来の安値となる101.10円まで下押した後に101円半ばまで水準を切り返したが、101.25円付近の200日移動平均線の攻防戦は継続しそうだ。本日から明日にかけて日銀金融政策決定会合が開かれるが、現行の金融政策の据え置きが見込まれており、追加緩和への思惑が後退していることから、為替相場への影響は限られるだろう。東京タイムでは、経済指標の発表など、注目のイベントが予定されておらず、日経平均の動向を眺めながらの展開になるだろう。