見通し(アジアタイム 為替) 参加者少なく小動き、独州CPIで動意付くか

2014年04月29日 08:19

NYタイムは円が軟調。米株価の反発と長期金利の上昇を受けて、為替市場では円が売られた。米3月中古住宅販売保留件数指数が前月比+3.4%と、市場予想の+0.7%を大きく上回ったことも円の上値を重くした。ドル円は102.63円まで上昇。ユーロ円は142.18円まで上げ幅を広げ、4日以来の高値水準を更新した。ポンド円は172.58円、加ドル円は93.12円まで上値を伸ばした。また、米株高や債券安はドル買いに作用。ユーロドルは1.3840ドル前後、ポンドドルは1.68ドルちょうど付近まで高値から調整した。
 ウクライナ情勢に関しては、米政府がプーチン露大統領に近い政府関係者7名と、企業17社に対して資産凍結や米国への渡航禁止を含む追加制裁を発表した。ただ、ロシアのエネルギー業界全体などに対する制裁には至らず、市場の警戒心は強まらなかった。緊張は続いているものの、過度なリスク回避姿勢が後退するなど、ある程度の安堵感が広がった感じだ。これを受けて、円買いの勢いは目先和らぐだろう。
 もっとも、本邦勢が祝日で市場参加者が少ないこともあって、アジアタイムでの動意は期待しづらい。また、本日から米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるほか、明日には日銀の金融政策決定会合・日銀展望レポートが公表されるとあって、積極的な取引は見送られそうだ。本日は、ユーロ圏で独4月消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。独全体のCPIに先駆けて各州のCPIが欧州タイム前半に発表されるため、この結果を受けての動き出しとなるか。