見通し(アジア 為替) 参加者限られるも、豪ドル中心に動意か

2014年05月06日 08:03

為替市場は小動き。ゴールデンウィーク期間中の東京市場がこどもの日で休場、英国がアーリー・メイ・バンクホリデーで休場と市場参加者が限定的だったため、週明けのNY勢の活性は低かった。また、発表された米4月ISM非製造業景況指数は55.2と、市場予想54.0を上回った。ドル円は102円ちょうど付近でもみ合い。102円割れの水準は引き続き底堅く、ウクライナの暫定政権と親ロシア派の衝突が続いているなかでもリスク回避の円買いは続かなかった。米株式市場が底堅かったこともサポート要因。ユーロ円は141円半ば、ポンド円は172円前半、加ドル円は93円前半、豪ドル円は94円後半へと水準を切り上げた。一方で、ユーロドルはECB理事会を控えた模様眺めムードもあり、1.38ドル後半で小動きだった。
 本日も本邦勢は休暇中で市場参加者が限られるため、基本的にはNYタイムの流れを引き継いで、各通貨の動意は鈍いだろう。ただ、豪州で3月貿易統計や豪準備銀行理事会が予定されており、豪ドル中心に動意付くことはありそうだ。豪貿易統計は、10.00億豪ドルの黒字が市場コンセンサス。昨年後半からの豪ドル高の調整が一巡しつつあるなかで、黒字額も2月の12.00億豪ドルから小幅に縮小する見通し。貿易収支の改善傾向に対する一服感が広がるようなら、昨日のさえない豪住宅指標や中国製造業PMIが蒸し返されて、豪ドルを圧迫する可能性がある点には注意が必要だ。また、豪準備銀行理事会では、政策金利は過去最低水準である2.50%に据え置かれる見通し。金利発表自体は問題にならないだろうが、声明文での豪経済や通貨高に関する言及には一応注意したい。そのほか、中国株への警戒も必要だろう。節目の2000pを割り込んでくれば、金融市場全体でリスク回避ムードが高まり、幅広い通貨に対して円を買い戻す流れが強まるかもしれない。