東京市場 午後概況 株高が円売りを誘発 ドル円は前日高値上抜け

2014年07月01日 11:59

東京タイム午前は円安地合い。発表された6月日銀短観や中国PMIが相場に与える影響は軽微だったが、先物主導で大幅に上昇した本邦株価の動意を受けてドル円やクロス円に買いが入った。日銀短観では大企業の業況判断指数(DI)が製造業と非製造業ともに前回から鈍化。先行きの見通しも市場予想を下回るさえない結果だった。中堅企業や中小企業もおおむね同様の傾向。一方で大企業設備投資は前年比で+7.4%と、予想の+6.0%を大きく上振れポジティブと捉えられた。大企業・製造業での事業計画の前提となる2014年度のドル円想定レートは100.18円と、前回の99.48円から上昇している。日経平均株価は強気の設備投資計画を徐々に好感した面もあってか、前引けにかけて前日比200円を超える水準まで大幅に続伸。ドル円は仲値に向けたフローにも支えられながら101.54円まで上昇して前日高値を上回った。クロス円もユーロ円が138.98円、ポンド円が173.68円まで上値を拡大。対ドルの動きで売りが先行していた豪ドル円も95.43円から95.77円まで切り返し、NZドル円は89.04円、加ドル円は95.18円まで水準を切り上げた。中国6月製造業PMIは昨年12月以来の高水準となる51.0で市場予想と一致。同HSBC・製造業PMIは速報値から0.1ポイント下方修正されたが反応はわずか。上海総合株価指数は小高く始まったあとはマイナス圏へ失速。そのほかのアジア市場も全体的に上値の重さが目立つなか、本邦株式市場だけが別次元の値動きを演じてドル円やクロス円の下値をサポートした。
 
対ドルはまちまち。ユーロドルは1.36ドル後半、ポンドドルは1.71ドル前半で膠着。ユーロドルは5月21日以来、ポンドドルは2008年10月以来の高値水準を維持して推移している。豪ドル/ドルは中国PMIや午後の豪準備銀行(RBA)理事会を前に調整を先行させて0.9416ドルまで下落。NZドル/ドルは0.87ドル半ばでもみ合った。
 
午後はRBAの政策金利発表やその後の声明文を受けて豪ドルの値動きが期待できる。ただ、全体的には不自然との声も一部で聞かれる本邦株価の上昇地合いが、午後も維持できるかがドル円やクロス円の値動きを左右する展開となるだろう。
 
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