東京市場 午後概況 円急落 日銀は緩和策を強化

2014年10月31日 15:05

東京タイム午後は円が急落。ドル円は109.50円レベルから年初来高値を更新し、2008年1月以来の水準となる110.75円まで一気に駆け上がった。日銀はこの日の金融政策決定会合で、マネタリーベースの増加幅を現行の年間60-70兆円規模から80兆円に拡大。加えてETFとJ-REITをそれぞれ現行の3倍に相当するペースで購入し、新たにJPX日経400に連動するETFを買い入れることも決定した。ガイダンスにおいては、マネタリーベースの買い入れ期限として設定されていた「2014年末」の文言と、物価目標の「2年程度で2%」とした時間軸を撤廃。2%の物価目標の実現を目指し、「安定的に持続するために必要な時点まで緩和を継続させる」と改めた。マネタリーベースおよび資産買入れ額の拡大ともに、賛成5・反対4での僅差の決定だった。
 
ガイダンスの時間軸が修正されることは想定されたが、今会合での買い入れ規模拡大は市場の多くが予想しておらず、サプライズな内容と受け止められている。日経平均株価は前日比700円を超える上げ幅となって年初来高値を更新。先日、量的緩和策(QE)の終了を決定した米国との金融政策面でのコントラストも意識され、米長期金利も一時2.34%手前まで急上昇している。この後の展望レポートで物価見通しが引き下げられれば、緩和の長期化がイメージされてさらに円安が進む可能性もある。クロス円も全面高となり、ユーロ円は139.22円、ポンド円は176.88円、豪ドル円は97.35円、NZドル円は86.73円、加ドル円は98.74円まで円安で推移した。
 
ドル円や米金利の上昇を受けて他通貨はドル高に傾斜。ユーロドルは1.2566ドル、ポンドドルは1.5973ドル、豪ドル/ドルは0.8785ドル、NZドル/ドルは0.7818ドル、ドル/加ドルは1.1212加ドルと総じてドルに対して弱含んだ。
 
 
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