東京市場 午後概況 円全面高、中国経済への不安感で

2014年04月10日 16:21

午後の為替市場は円全面高。中国貿易統計のさえない内容を受けて、リスク回避に伴う円買いが強まった。反発していた日経平均株価が後場に一時マイナスサイドへ沈んだことも、投資家のリスク許容度を低下させ、円売りポジションの解消を誘った。李克強・中国首相が「中国は7.5%下回る成長率も容認できる」、「短期的な観点で景気刺激策は講じない」と述べたことも、中国の成長鈍化懸念を煽った。中国3月貿易統計で黒字幅は、77億1000万ドルと市場予想の18億ドルを上回ったが、輸出入揃って減少した。
 ドル円は、米国の利上げ前倒し観測が後退してドルの重さが意識されるなか、株安が追い討ちとなり101.64円まで下落。クロス円も軟調で、ユーロ円は140.80円、ポンド円は170.72円、スイスフラン円は115.58円、豪ドル円は95.62円、NZドル円は88.61円、加ドル円は93.26円までそれぞれ本日安値を塗り替えた。その後は、上海総合株価指数が前日比プラスサイドへもち直したことを受けて株安が一服。円買いの勢いもいく分和らいだが、中国経済に対する不透明感から、ドル円・クロス円の戻りは鈍かった。
 他通貨は、クロス円の下落が波及してドルに対しても下落。ユーロドルは1.3842ドル、ポンドドルは1.6785ドルまでそれぞれ安値を更新したほか、豪ドル/ドルは0.9400ドル付近まで押し戻された。