東京市場 午後概況 イベント通過で手掛かり少なくドル円の動意は限定的

2015年03月09日 12:13

午前の為替市場は小動き。序盤は先週末のドル高への反動が先行した。しかし、米国の早期利上げ期待は根強くドル安も調整の範ちゅうにとどまると、イベント通過で手掛かりが少ない中、各通貨の動意は徐々に細った。中曽日銀副総裁は「物価が目標へ着実に前進なら政策対応は必要ない」、「目標達成困難なら対応必要」との立場を改めて示したが、市場への影響はほとんどなかった。
 
また、本日発表された10-12月期GDP・2次速報値は、設備投資や在庫投資の減少が影響して、前期比・前期比年率揃って1次速報値から下方修正された。ただ、内容は個人消費が上方修正されているほか、在庫減少は必ずしも悪いことではないため、ヘッドラインのインパクトほどネガティブな受け止め方は少なかったようだ。
 
ドル円は120.62円まで低下した後は、120.93円まで切り返したほか、ユーロ円は130.71円を底値に131.10円までもち直した。他のクロス円では、ポンド円が182.07円までレンジ上限を広げた。ただ、値幅は狭かった。
 
ユーロドルは1.0856ドルまで買いが先行したが、その後は1.0840ドル付近で動意を鈍くした。こうした中で、オセアニア通貨はいく分上値の重い展開。対ユーロでの下げが重しとなり、豪ドル/ドルは0.7692ドル、NZドル/ドルは0.7339ドル、豪ドル円は92.94円、NZドル円は88.63円まで軟化。ただ、手掛かりが少ない中で値幅は限定的だった。
 
午後は、株価動向をにらみながらも欧州勢の参加待ちとなるか。10-12月期GDPの内容は景気の減速感を強く意識させる結果にはならず。株価が後場に戻りを試す可能性は十分にあるだろう。ドル円も株価動向を受けて、121円台を試す局面もあるかもしれない。ただ、手掛かりが少ないため、基本的には120円後半で海外勢の出方を待つ格好が続きそうである。