東京市場 午後概況 ドル円117円半ばへ下落 日銀は金融政策据え置き

2015年01月21日 15:42

午後は円売りに対する巻き戻しが加速した。日銀金融政策決定会合では、マネタリーベースを年間80兆円に相当するペースで増加させる現状の方針が維持された。3月に期限の到来する「貸出増加支援」や「成長基盤強化支援」などの期限が1年延長され、「成長基盤強化支援」の総枠が引き上げられたが、一部で指摘のあった当座預金の超過準備への付利引き下げは見送られた。
 
マネタリーベースを通じた金融調整の据え置きは、前回同様に木内委員を除く賛成多数で決定された。2%の物価目標も現状通りに維持されている。委員の大勢見通しでは2014年度の消費者物価指数が、消費増税の影響を除くベースで+0.9%(前回+1.2%)へ、2015年度が+1.0%(同+1.7%)へ引き下げられた。ドバイ原油価格が、1バレル 55 ドルから見通し期間終盤にかけて 70 ドル程度へ緩やかに上昇していくとの想定を基に算出されている。実質GDP見通しは、2014年度が引き下げられた(+0.5%から-0.5%へ)一方、2015年度は上方修正(+1.5%から+2.1%へ)された。
 
日銀の政策据え置きを受けて思惑的な円売りに対する修正が強まり、ドル円は117.66円まで下落。朝方からの下げを1円超に拡大させた。ユーロ円は136.17円、ポンド円は178.45円、豪ドル円は96.62円、NZドル円は90.14円、加ドル円は97.38円まで円高で推移。日経平均株価は185円安まで下値を広げる場面があった。債券市場では日銀の見送りを受けて売りが入り、長期金利は4営業日ぶりに上昇した。
 
ユーロドルは1.1576ドル、ポンドドルは1.5175ドル、豪ドル/ドルは0.8224ドル、NZドル/ドルは0.7672ドル、ドル/加ドルは1.2079加ドルまで対ドルで底堅く推移。クロス円の動向に上値を圧迫されつつ、ドル円の下落によるドル安にサポートされた。