東京市場 午前概況 NZドル下落、やや円高も短期筋の動意薄い

2014年05月28日 13:26

東京午前の為替市場ではNZドルに売りが入ったものの、円相場は小動きだった。NZドル売りの背景はNZ景況感指数のピークアウト。発表されたNZ5月ANZ企業信頼感とNZ5月ANZ企業活動見通しは、それぞれ3カ月連続で低下した。昨日のNYタイム終盤にNZ乳業大手フォンテラが発表した見通しを受けてNZドル買いが入ったが、完全に失速している。
 手がかりにはなっていないものの、ロックハート米アトランタ連銀総裁の発言が伝わった。同総裁は「利上げ開始は2015年後半と予想する」とし「利上げ開始を急ぐ必要はない」と述べたほか、「今後数四半期にわたって3%の経済成長を見通す」との認識を示した。寒波を背景とした1-3月期の米GDPの落ち込みを懸念してはいないようだ。明日発表される1-3月期の米GDP改定値は前期比年率で-0.5%へ下方修正される見通し。「FF金利の中立水準が4%との見積もりは合理的」であるとの見解も示した。この見積もりを前提とすると4%未満までは景気に対して緩和的な政策金利水準ということになる。刺激的な米金融政策はかなりの長期間に渡りそうだ。
 ドル円は101.88円、ユーロ円は138.88円、ポンド円は171.26円、豪ドル円は94.30円までわずかに下げたが方向感は薄い。日経平均株価は前日水準でもみ合っている。
 NZドルは弱いNZ景況感指数を受けて、対ドルで0.8534ドル、対円で86.98円まで下落。NZドルの下げにつれて豪ドル/ドルも軟化したが、下値は0.9251ドルにとどまり、その後は下げ渋った。
 ユーロドルは1.3630ドル付近、ポンドドルは1.6810ドル付近でこう着。
 東京午後の円相場は引き続き小動きだろう。月末要因で短期筋の動きは一段と鈍りそうで、こう着している日経平均が動意づかなければ円の売買は見送られそうだ。NZドル売りが一巡すれば静けさが増してくると思われる。