東京市場 午前概況 FOMC後のドル高は次第に勢い失うも円売りは続く

2014年09月18日 11:47

東京タイム午前は、ドル円が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の流れを踏襲し、朝方の早い段階に108.69円まで上値を拡大。2008年9月以来の高値を塗り替えた。ルー米財務長官が「強いドルは米国とって常に利益」と発言したこともドル買いの流れを後押しした。市場では予想された声明文のハト派な文言の修正や削除の見送りが株価にポジティブな印象を与えた一方、金利見通しの上方修正が利上げペースの加速を意識させたほか、政策正常化の原則と出口(出口戦略)を示したことが債券安(金利上昇)やドル買いに寄与したとの判断が優勢。時間外の米長期金利が小幅に調整したことで伸び悩んだが、本邦株価の大幅な反発にも下支えされて調整も小幅にとどまった。
 
対ドルは下押し先行後に持ち直しに転じた。ユーロドルは1.2834ドルまで安値を塗り替えた後にNY引け値水準まで反発。豪ドル/ドルは0.8939ドルから0.8972ドルまで水準を回復させ、NZドル/ドルはNZ4-6月期GDPが市場予想を上回ったことも背景に0.8080ドルから0.8116ドルまで切り返した。急激に進んだドル高に対する警戒感はそれほど高くないが、動意が一巡したことでいったん調整が優勢となった印象。ポンドドルはスコットランドの住民投票を控えて1.62ドル半ばで神経質な振幅。投票は日本時間15時頃から開始され、明日には大勢が判明する見通し。
 
クロス円は対ドルの持ち直しと本邦株高を好感した円売りが作用してじり高推移。ユーロ円は139.78円、ポンド円は176.72円、豪ドル円は97.40円、NZドル円は88.10円、加ドル円は98.66円までレンジを切り上げた。日経平均株価は1月9日以来の16000円台回復を達成。中盤以降に上げ幅を拡大させた。
 
今後の米金融政策に関しては個別のデータを精査しながら判断することになると思われ、足元のペースでドル高が続くとは想像しにくい。ただ、ドル円は市場参加者の多くが年末までの上昇余地として見込んでいた110円付近を視野に入れだしている。相場のトレンドが明確な以上、節目を意識したフローに変化が生じる兆しは見られない。海外勢の動きを待つ格好で、高値圏を維持した推移が継続しそうだ。
 
 
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