東京市場 午前概況 週末の中国PMI受けた円買いは早朝に一巡

2015年02月02日 12:17

東京市場では早朝に円買いが先行した。週末に発表された中国1月の製造業・非製造業PMIが、ともに市場の予想を下回ったことがきっかけだった。まだ取引参加者が限定的な時間帯に、中国の景気減速リスクをはやしたリスク回避的なフローから、ドル円は116.64円まで下落。先月16日以来の安値水準まで下値を広げた。クロス円もユーロ円が132.00円、ポンド円が176.03円、NZドル円が84.59円まで売られ、中国の景気動向にことさら敏感とされる豪ドル円は90.59円まで下げ幅を拡大。昨年3月以来の安値を塗り替えた。
 
もっとも、円買いは商いの薄かった早朝の動きに限定された。米株安の影響を受けて反落した日経平均が下値を切り上げたこともサポートとなり、ドル円は117.64円と安値から1円反発。ユーロ円は133.18円、ポンド円は177.42円、豪ドル円は91.63円、NZドル円は85.54円まで切り返した。総じて先週末引け値と比較して円安水準まで買い進まれるなど、多少の不自然さは感じられるものの最終的には円売りが優勢だった。中国1月HSBC製造業PMI・改定値は速報値をわずかに下回る着地となったが、あまり材料視されていない。
 
豪ドル/ドルは0.7795ドル、NZドル/ドルは0.7273ドルまで買われ、ユーロドルは1.13ドル前半、ポンドドルは1.50ドル後半を中心に底堅さを維持した。下押しを経て堅調地合いに転じたクロス円が下支えになっている。
 
中国指標を受けたネガティブな反応は早い時間帯で終息している。欧州時間まではイベントに乏しく、相応の押し目買い意欲が確認できたドル円やクロス円に、短期的な利益確定以外に売りを持ち込む参加者も限られるだろう。株価動向に影響を受けた多少の振幅を想定しつつも、基本的には底堅さを維持する展開となりそうだ。