東京市場 午前概況 背景まちまちで強い方向感は出ず、様子見ムード

2015年03月05日 12:11

東京タイム午前、ドル円は週末に米雇用統計を控えた様子見ムードもあって、119円後半レンジで上下した。戻りの鈍いユーロに対するドルの底堅さや、株価がマイナス圏から持ち直したことによる小幅な円売りで、一時119.86円へ上昇。日経平均株価は前日比マイナスで寄り付いたものの持ち直し、18735円(+31)で前場を引けた。しかしドル円の値幅は限られた。豪ドルがRBA高官の発言で持ち直し、相対的にドルの上値が重くなった面もあって、為替相場全般的に強い方向感がない。木内日銀審議委員の「展望レポートに比べ経済・物価見通しに慎重」、「2%物価安定の目標達成時期、2年程度でなく中長期の目標とすること提案」などへの発言に明確な反応はなかった。
 
ユーロドルは戻りが鈍く1.10ドル後半、ポンドドルは1.52ドル半ばで推移。今夜の英欧金融政策発表前の様子見ムードも強い。ユーロ円は132円後半で小幅に円安へ振れたものの小動き。ポンド円は182円後半でこう着状態だった。
 
豪ドルはまちまちの豪経済指標に強い反応は示さず、上値が重かった。しかしロウRBA副総裁による通貨安誘導の意図否定の発言で持ち直している。同総裁は当初、「ファンダメンタルズからすれば、豪ドル依然として高過ぎ」と発言。しかし「我々の目標が通貨安誘導と捉えるのは間違い」と続けたことで、豪ドル/ドルは0.7804ドルまで水準を下げた後、0.7841ドルまで小幅に上昇。しかし、やはり値幅は限られている。豪ドル円は93円後半で推移。NZドル/ドルは0.75ドル後半、NZドル円は後半から半ばへ下押し。昨日の堅調な推移に対する巻き戻しが、持ち直した豪ドルに対して入ったもよう。
 
個別材料で小幅に上下しつつも、週末の雇用統計、今夜の英欧金融策政策発表を控え、強い方向感が出にくい。ECBについては、国債購入を含む量的緩和開始のタイミングを見定めることも必要。ポジション調整による不意な上下を挟みつつも、限られた水準に収れんする展開が想定される。