東京市場 午前概況 株高受け円が小幅安、イベント前で値幅は限定的

2014年10月29日 12:16

午前の為替市場は円が小幅安。日経平均株価が9日以来の15500円台を回復したことが手掛かりとなった。株価上昇は、海外市場で進んだ株高により日本株の割安感が意識されたほか、予想を上回った鉱工業生産を受け国内景況への不安が後退したことが一因。9月鉱工業生産は、出荷が伸びた一方で、在庫が低下したことから、市場予想+2.2%を上回る+2.7%となった。
 
ドル円は、輸入勢の売りを吸収しながら108.24円までレンジ上限を拡大した。クロス円もしっかりで、ユーロ円は137.81円、ポンド円は174.62円、スイスフラン円は114.27円、豪ドル円は95.91円、加ドル円は96.92円まで上値を伸ばした。また、NZドル円は、NZの企業景況感が改善したことから85.78円まで買われた。
 
ただ、今晩に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控え、投資家も上値追いには慎重だったようで、上昇一巡後は各通貨揃って伸び悩んだ。
 
他通貨は小動き。ドル買いに傾いた場面で複数通貨がレンジ下限を広げたが、クロス円の底堅さが支えとなって、下押しも限定的だった。その後は、売買が交錯してNY引値付近での振幅を続けた。ユーロドルは1.27ドル前半、ポンドドルは1.61ドル前半から半ばでもち合った。
 
この後も、月末を控えて輸出勢の円転でドル円・クロス円に下押し圧力がかかる危険性はあり、注意は怠れないだろう。ただ、こうした散発的なフローがなければ、米イベントを見据えて様子見ムードが広がりそうで、足元の水準でもち合いながら欧州勢の参入を待つ時間帯となりそうである。
 
 
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