東京市場 午前概況 株安と財務相の発言背景に、円の買い戻しが優勢

2014年11月21日 12:00

東京タイム午前の為替相場は円の買い戻しが優勢となった。本邦の3連休を控え株高・円安に小幅の調整が先行し、麻生財務相の発言を受けて円買いが加速した。麻生財務相は「円の下がり方のスピートのテンポが早すぎる」、「円安、円高の急激な変動は歓迎すべきではない」との見解を示した。
 
衆院は本日午後の本会議で解散され、臨時閣議で衆院選の日程が12月2日公示-同14日投開票に決定される見通しも、すでに織り込み済みで為替相場への影響は薄い。安倍首相は衆院解散で夕方に記者会見を開く予定。総選挙では、アベノミクスの是非が争点となる。
 
株安と財務相の発言を背景に、ドル円は昨日の安値を下回ると117.36円まで下げ幅を拡大した。クロス円でも円の買い戻しが進み、ユーロ円は147.49円、ポンド円は184.37円、豪ドル円は101.50円、NZドル円は92.56円までレンジ下限を広げた。ドル円でのドル売り・円買いの動きを受けて、ドルは円以外の主要通貨に対してもやや売りが優勢。ユーロドルは1.2569ドル、ポンドドルは1.5714ドル、豪ドル/ドルは0.8652ドル、NZドル/ドルは0.7898ドルまで小幅高。
 
午後は株安や麻生財務相の発言を背景とした円の買い戻しも一服し、3連休を控え様子見ムードが広がるか。麻生財務相の円下落のテンポが早すぎるとの見解はもっともで、調整が一段と進む余地は大いにある。ただ、円の先安観は根強く、ドル円の下押し局面での買い意欲は衰えないだろう。