東京市場 午前概況 株価低下で円には逃避買い

2014年04月28日 12:50

午前の為替市場は円高。ウクライナ情勢をめぐる不安を背景に本邦株価がさえない流れとなったことが円買いを誘った。日経平均株価は、一時200円超下落した。ただ、ある程度株安が織り込まれていたほか、週半ばからの日米の主要イベントを控えて積極的な取引が見送られたため、円の高値も限定的だった。また、米長期金利が戻し気味に推移したことも、円高圧力を緩和した。
 ドル円は102.04円まで下げ幅を拡大。102円付近では押し目買い意欲も強いようで、同水準では下げ渋ったが、投資家心理の悪化から戻りは鈍く上値の重い展開だった。クロス円では、ユーロ円が140.99円、ポンド円が171.27円、スイスフラン円は115.62円までそれぞれ下げ幅を広げた。
 ユーロドルやポンドドルは軟調。ユーロやポンドが対円・対オセアニア通貨で下げたことが重しとなり、ユーロドルは1.3815ドル、ポンドドルは1.6778ドルまで下げた。一方で、オセアニア通貨は底堅い展開。欧州通貨に対して買い戻されたことが、他通貨にも波及。豪ドル/ドルは0.9293ドル、NZドル/ドルは0.8580ドル台まで強含んだ。豪ドル円は94円後半、NZドル円は87円半ばで底堅く推移した。
 米10年債利回りが時間外取引ながら2.68%付近へもち直しているほか、日経平均は下げ渋る格好となっており、リスク回避的な流れが一巡した感じがうかがえる。円高の流れも目先一服しそうだ。ただ、欧州勢が再びリスク回避スタンスで参入してくる可能性はあり、ロンドンタイム序盤の動き出しには注意したい。