東京市場 午前概況 株価・円安の好循環 豪ドルは住宅指標で売り

2014年06月02日 12:12

東京タイム午前の為替市場では円売りが優勢。想定以上の本邦株高や、週末の中国PMIの持ち直しなどが市場のリスク許容度を拡大させた。ただ、ウェリントンに加え、本日は中国・香港市場が休場。今週は欧州中央銀行(ECB)理事会や米雇用統計ほか、注目度の高いイベントが目白押しのため、株価と比較して為替の値動きは比較的穏やかだったといえる。ドル円は102.09円まで買われ、先月27日以来の高値をつけた。日経平均株価は250円を超える上げ幅を示現、4月4日以来の14900円台回復を果たしている。朝方に発表された1-3月期法人企業統計では、設備投資が前年比で7.4%増加。市場予想の5.8%増を上回り、東日本大震災の反動で上振れた2012年4-6月期以来の高水準となった。一方、複数の通信社が報じていた、第一生命保険による米プロテクティブライフ買収に向けた最終交渉に関しては、同社株が4%を超える下落となったことで、期待されたドル円上昇への寄与度は低かったといえそうだ。
 ドル円上昇に伴う相対的なドル高に加え、時間外の米長期金利が週末の米市場の中盤以降の流れを引き継いで上昇したことで、主要通貨は対ドルで上値の重い推移。ユーロドルは1.3621ドル、ポンドドルは1.6743ドルまでじりじりと水準を下げた。ただ、英国・欧州ともに、今週は金融施策イベントが予定されている。特にECBによる追加緩和が予想されるなかで、ユーロには手控え感が強い。また、豪4月住宅建設許可が市場予想を大きく下回り、豪ドル/ドルは0.9267ドルまで下落。同指標は事前のプラス予想に反して前月比で3カ月連続マイナスとなり、前年比ベースでも市場の想定していた伸びを大きく下回った。NZドル/ドルも0.8475ドルまでつれ安で推移した。
 クロス円は全体的には株高に下値を支えられていたが、ユーロ円が139.10円、ポンド円が170.98円まで上値を伸ばした反面、豪ドル円は94.53円まで売られ、NZドル円は86円半ばで上下するなどまちまちとなった。
 午後もやや上げすぎとの指摘もある本邦株価に大きな調整がなければ、ドル円は102円前後と直近の高値圏を維持した底堅い推移が継続するだろう。欧州タイム以降の経済指標の発表などに向けて、徐々に値動きが落ち着いていくと想定したい。