東京市場 午前概況 月末・期末控えた実需フローで円買い、株安も重荷

2014年06月27日 12:00

東京タイム午前は、翌月曜に月末・期末を控えた週末の仲値に向け、じりじり円高が進んだ。カレンダー的に手控え感が強まりやすいなかで実需の円買いが観測された。ドル円は日経平均株価が前引けにかけて下げ幅を広げたことも重しとなり、一時101.49円まで下落した。本邦経済指標の発表に対する為替の直接的な反応は限られた。消費者物価指数は市場予想に沿った内容で、5月全国消費者物価指数(生鮮食品除く)は前年比+3.4%と1982年以来の伸びだが、消費税を除くベースでは伸びが縮小。強弱の判断がつきにくい内容だった。5月雇用指標は失業率が3.5%、有効求人倍率が1.09倍と、それぞれ市場予想や前月より1pずつ改善。有効求人倍率はバブル崩壊後にあたる1992年7月以来の水準まで回復。その意味では日銀が政策運営に自信を持つ結果と解釈することもできる。一方で家計調査による消費支出は前年比-8.0%と大幅な落ち込みで、消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動減が続いた。
 クロス円も円買い先行で、ユーロ円は一時138.21円、ポンド円が172.89円、スイスフラン(CHF)円は113.64円まで下落。資源国通貨も、豪ドル円が95.59円、NZドル円が89.00円、加ドル円は94.96円まで水準を下げた。一方、対円でドルが一時弱含むなか、欧州通貨やオセアニア通貨に対してもドルは水準を下げている。ユーロドルは1.3622ドル、ポンドドルは1.7039ドルまでじり高。豪ドル/ドルは0.9428ドルと昨日の水準を上回った。各通貨の対ドルでの持ち直しを受け、クロス円も下げ渋った。
 午後もドル円は上値が重いか。仲値をこなしたものの、散発的な実需の円買いフローや株価動向には引き続き注意したい。