東京市場 午前概況 指標結果に一喜一憂も、方向性に欠ける

2014年04月01日 12:04

東京午前の為替市場は複数の経済指標の結果に一喜一憂しながらも、明確な方向性は定まらず、各通貨とも限られたレンジで振幅した。午前のドル円のレンジは103.09-103.35円、ユーロ円は142.00-142.35円だった。
 この日発表された3月日銀短観については、大企業製造業業況判断DIは市場予想+19を下回る+17となった一方で、同非製造業業況判断DIは予想と一致した。見通しについては、おおむね悪化するなど全体的には弱めな内容だった。結果自体は、日銀への追加緩和圧力をいく分強める内容と受け止められたが、先行き不透明感から株価がさえない展開となったことで、円安の効果は長続きしなかった。逆に円買いが強まる場面もあった。また短観に関しては、今回から新たに「企業の物価見通し」が発表されるため、その結果を見極めたいとの思いが強かったことも市場の反応を鈍らせた可能性はある。「企業の物価見通し」は2日に公表されるが、結果と日銀のインフレ目標値2%とのズレが注目される。
 また中国指標に関しては、中国当局が発表した3月製造業PMIが2月から上昇した一方で、HSBC製造業PMI・改定値は速報値から下方修正されるなど強弱まちまちの結果に。これを受けて、中国経済との結び付きが強いとされるオセアニア通貨も上下動。当局側の結果が公表された場面で、豪ドル/ドルは0.9293ドルまで強含み、豪ドル円は95.96円と昨日高値を上抜けた。ただ、HSBC算出の製造業PMIの結果を受けると上昇の勢いは失速した。そのほかの通貨は目立った値動きも見られず、ユーロドルは1.37ドル後半、ポンドドルは1.66ドル半ばでの推移が続いた。
 この後は、豪準備銀行理事会が相場を動かすきっかけとなるか注視される。政策金利は2.50%で据え置かれる見通し。注目は声明文となる。足元、市場関係者の通貨高への警戒心が緩んでいるため、豪ドルはもち直しの流れが続いている。しかし、目先失業率の悪化見通しがあるなかで、声明文が予想ほどタカ派に振れなければ、豪ドルはポジション調整から反落することがあり得るため、注意したい。