東京市場 午前概況 原油安・ルーブル安を背景にリスク回避志向が続く

2014年12月17日 12:22

東京午前の株式市場は、リスク回避志向が広がるなか全体的に重い値動きとなった。
 
本日発表された本邦11月貿易統計では、貿易収支(季節調整前)は予想9920億円の赤字のところ、8919億円となり、市場予想より赤字額は少なかった。輸出額(季節調整済み)は6兆3684億円で08年10月以来の高水準となり、拡大トレンドが継続していることを確認。またその後、安寄りした日経平均がプラス転換したことを支えに、ドル円は一時117.08円まで上値を拡大した。ただ、米株安の要因ともなった原油価格は時間外取引で54ドル後半まで軟化し、ルーブルは1ドル=70ルーブル付近の安値圏で推移。そのためリスク回避志向は継続していたもようで、日経平均が前日比100円超までじり高推移してもドル円の反応は鈍く、終始116円後半で伸び悩んだ。ドル円につられるかたちで、クロス円も株式市場オープン後に水準を上げたものの、その後は押し戻され、ユーロ円は145円後半、ポンド円は183円半ば、豪ドル円は95円半ば、NZドル円は90円半ば、加ドル円は100円前半まで伸び悩んだ。
 
ユーロドルは1.25ドル前後で小動き。FOMCの声明発表を控えて穏やかな展開。ポンドドルは1.57ドル前半で推移。11月半ばからもみ合いレンジで上下を繰り返した結果、7月以降の下降トレンドラインを上抜けている。
 
NZドル/ドルは0.77ドル後半で推移。昨日、NZ乳業大手フォンテラが発表した乳製品価格の総合指数であるGDT価格指数は、前回の入札から2.4%上昇。ただロシア危機や原油安など様々なテーマが入り乱れるなかで、NZドル独自の動きはみられなかった。
 
原油価格とルーブルが一旦は下げ止まるなか、午後はFOMCを控え小動きが予想される。ただ原油価格もルーブルも、依然として安値圏で推移しており予断を許さない状況にある。この両者の値動き次第では、さらに円買いに傾く可能性もあるため注意したい。