東京市場 午前概況 前日来の円安水準維持、中国PMIはまちまち

2014年06月03日 12:31

東京タイム午前は、ドル円・クロス円が前日来の高値圏を維持して推移した。日経平均は続伸し、4月4日以来、約2カ月ぶりに15000円の大台を回復させた。ただ、株高自体は日経先物や海外市場の流れから予測されていたため、下支え以上の効力は発揮していない。ドル円は朝方に102.46円まで買われたが、前日高値102.49円を前に足踏みが続いた。衆院財務金融委員会に出席した黒田日銀総裁の発言が多く伝わったが、追加緩和や出口に関する新たな手掛かりは得られていない。景気・物価認識も、最近の発言や日銀議事要旨の内容がおおむね踏襲されていた。ユーロ円は139.35円と前日高値をわずかに上回ったが、株価の伸び悩みを背景に上値は限定的。ポンド円も171.55円を高値にもみ合った。
 この日発表された中国の経済指標では、5月非製造業PMIが前月を上回って昨年11月以来の高水準を示現。一方で同HSBC製造業PMIは速報値から下方修正されるなどまちまちだった。日経平均や中国株への影響もわずか。各指標の発表後こそ、ドル円・クロス円は狭い値幅で反応したが動意は限られた。また、午後に豪準備銀行(RBA)の政策発表を控えるなか、豪ドルは豪1-3月期の純輸出が想定以上に拡大し、経常収支の赤字が大きく縮小したことを好感。対ドルは一時0.9258ドルまで買われ、対円も94.82円まで上振れる場面があった。
 欧米の株価動向に対して出遅れ感は否めなかったものの、週明けからの日経平均の上げ幅は400円を超えており、午後は短期的な過熱感も背景とした調整に一定の警戒を払いたい。またRBAの金融政策イベントでは設備投資計画の上方修正を背景とした景気認識に加え、「歴史的にみて依然として高水準」との文言を引き継いでいる豪ドル相場に関して、声明文のトーンの変化があるかに注目が集まる。