東京市場 午前概況 円高、株価も取引一巡後は上昇幅縮める

2014年04月30日 12:10

午前の為替市場は円買いが優勢。3月鉱工業生産・速報値が+0.3%と、市場予想+0.5%に届かなかったことが円買いを促した。ドル円が、節目と目される103円を突破できずに失速したことで短期勢の円買い戻しを誘った。日銀の金融政策決定会合前のポジション調整が出た可能性もある。しかし、日経平均株価は後半に上昇幅を縮めはしたが、前日比プラスサイドを維持して推移したことから、円高の勢いはそれほど強まらなかった。また、NZドルはしっかり。NZ経済の底堅さを示す指標結果がNZドル相場を下支えした。NZ3月住宅建設許可は+8.3%と、市場予想+2.0%を大きく上回った。また、NZ4月ANZ企業信頼感は64.8と3月67.3から低下したが、連続利上げの影響は限定的だった。
 ドル円は102.34円まで下げ昨日安値を下回ったほか、ユーロ円は141.27円、ポンド円は172.19円、スイスフラン円は115.79円、加ドル円は93.42円までそれぞれ下げ幅を拡大した。
 一方で、NZドルはしっかり。NZドル/ドルは0.8572ドル、NZドル円は87.92円まで上昇した。NZドル上昇に引っ張られて、豪ドル/ドルも0.9286ドル、豪ドル円は95.26円までレンジ上限を伸ばした。ただ、買い一巡後は円買いの流れに押されてクロス円が下押ししたことで、対ドルでもおのおの伸び悩んだ。その他の通貨は小動き。ユーロドルは1.38ドル前半、ポンドドルは1.68ドル前半で推移した。
 この後は、日銀の金融政策決定会合や日銀総裁の会見待ちの様相となろう。現状維持なら円買いに傾く見方はあるが、既に円買いが先行しているなかで、ここからさらに円高が進むかは微妙だ。仮に市場が円買いで反応しても、海外時間でもイベントが続くことから、一方的な円高の流れは想定しづらいか。