東京市場 午前概況 円売りは失速、甘利発言でさざ波

2015年01月27日 12:31

東京午前の方向感は限定的。ギリシャ総選挙の結果に対する各国金融市場の反応が一巡し、過度な懸念が広がらなかったことから株高・円安に傾く場面はあったが、円売りはごく一時的だった。月末であることから短期筋の売買は盛り上がらず、本日から米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われることも動意を抑制した。FOMC声明は微調整だろうが、積極的にポジションを積み重ねる局面ではない。
 
ドル円は118.66円まで小高く推移した後、118.14円へと重くなった。ユーロ円は133.45円、ポンド円は179.05円、NZドル円は88.26円まで水準を切り上げた後、いずれも失速している。ユーロ円は132.88円へ円買いが優勢に。甘利再生相が日銀の物価目標の時間軸に関して「厳格な期限にコミットしているわけではない」と述べたことで日銀の追加観測が後退し、ドル円やクロス円を圧迫している。今後、日銀が取りうる手段としては、資産買い入れの拡大、物価目標達成時期の先送り・抽象化などがある。
 
ユーロドルは1.12ドル半ばでもみ合い。ポンドドルは1.5107ドルまで強含み。豪ドル/ドルは0.79ドル前半、NZドル/ドルは0.74ドル前半で小動きだった。
 
東京午後の為替市場は落ち着いた展開か。甘利再生相の発言は尾を引かないだろうが、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和決定やギリシャ総選挙から相場の軸となるテーマが移行する段階にあり、日銀に視線が向かないともいえない。