東京市場 午前概況 円が小幅高、首相が「円安の影響を注視」と発言

2014年09月24日 12:03

午前のドル円・クロス円は上値の重い展開。世界的な景気減速への警戒感に伴うリスク回避ムードが広がる中、安倍首相の円安をめぐる発言を受けて円が小幅に上昇した。ドル円は108.46円、ユーロ円は139.36円、ポンド円は177.78円、スイスフラン円は115.45円、豪ドル円は96.09円、加ドル円は97.95円までそれぞれ下げ幅を広げた。安倍首相は「円安が地方や中小企業に与える影響を注視」と述べ、過度な円安への懸念を示した。
 
ただ、その後は配当権利取り狙いの買いが入り株価が下げ幅を縮めたことで、ドル円・クロス円は下げ渋った。安倍首相が通常国会に補正予算案の提出を検討との報道や、「できる限り早くGPIFのポートフォリオ見直しを行いたい」と述べたことも、投資家のリスク回避マインドを和らげた可能性はある。とはいえ、先行きへの警戒感は払しょくされておらず、戻りは鈍かった。
 
NZドルは小幅に切り返した。早朝に発表された8月貿易統計で、赤字額が縮小したことが下支えとなった。NZドル/ドルは0.8086ドル、NZドル円は87.97円までレンジ上限を広げた。ただ、中国向け輸出の減少傾向は変わっておらず、上値を大きく伸ばすような展開にはつながらなかった。
 
その他の通貨ペアは、月末・四半期末関連のドル売りが散発的に出たようで、ユーロドルが1.2858ドル、ポンドドルが1.6408ドル、豪ドル/ドルが0.8865ドルまでレンジ上限を広げる場面が見られた。また、ジョージ米カンザスシティ連銀総裁による「FRBは金利正常化を始める時期に来ている」との発言も伝わったが、市場の反応は限られた。
 
この後は、ドル円・クロス円ともしばらく落ち着いた流れが続くか。警戒されていた中国株も前日比横ばいとなるなど、投資家の不安感を和らげる方向に動いている。もちろん欧州勢が参入してくれば状況が変わる可能性はあるが、少なくとも目先は様子見ムードが広がってもおかしくはないだろう。