東京市場 午前概況 中国指標が豪ドルを支える ドル円は上値重い

2014年10月21日 12:04

東京タイム午前はドル円やクロス円に売りが先行した。昨日の米株式市場は好調な企業決算の影響もあって底堅かったが、日経平均株価は今年最大の上げ幅となった前営業日の反動もあって下落。ドル円は昨日安値を割り込んで106.70円まで売られ、ユーロ円は136.56円、ポンド円は172.43円までレンジ下限を拡大させた。ただ、弱含みが警戒された中国の7-9月期国内総生産(GDP)が市場予想を上回ったことや、株価の下げ渋りを支えに一段安を回避。中国GDPは前年比ベースで+7.3%と、2009年第1四半期以来の水準に鈍化したが、市場予想の+7.2%は上回っており市場に安心感を与える結果といえた。9月鉱工業生産も予想を上回る伸びを示した。
 
豪ドル/ドルは中国GDPの結果を受け、発表前に下押してつけた0.8760ドルから0.8814ドルまで反発。豪ドル円も93.57円から94.17円まで買い戻された。また、豪準備銀行(RBA)金融政策決定理事会議事録では、引き続き一定期間の金利安定がもっとも賢明な道筋との見解を表明。歴史的水準からみた豪ドルの割高感にも触れたが、ほぼ想定通りの内容だったため豪ドルへの影響はわずかだった。NZドルも対ドルが0.7955ドル、対円が84.96円から持ち直しに転じたが、対豪ドルでのNZドル安が影響して上値は限定的。ユーロドルは1.28ドル付近、ポンドドルは1.61ドル半ばで方向感に乏しかった。
 
中国GDPの発表が無難な結果に終わったことで、市場は次の材料待ちとなるだろう。金融市場全体を覆った悲観的なムードは後退しているものの、リスク選好的な流れに回帰するだけの環境には欠け、不透明感が残るなかで慎重な取引が予想される。引き続き株価動向や、低下傾向にある先進国の長期金利の動向などを眺めながら、マーケットのセンチメントを推し量る展開となりそうだ。
 
 
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