東京市場 午前概況 リスク回避の連鎖一服、ドル円は低位安定

2014年07月11日 12:03

東京午前の為替市場では、円買いの勢いは強まらず。昨日の海外市場で話題となったポルトガルの銀行大手バンコ・エスピリト・サントをめぐる信用懸念が引き続き意識されて、序盤は円買いが先行した。しかし、同行の信用不安の影響は局所的との見方が大勢だったこともあり、円は徐々に伸び悩んだ。5日続落してスタートした日経平均株価が下げ幅を縮めたことも、円買いの勢いを和らげるのに作用した。ドル円は101.26円まで下落後に101.39円まで切り返した。クロス円も、ユーロ円が137.71円を示現後に137.80円台へ戻したほか、豪ドル円は95.15円付近で下げ渋った。
 
他通貨では、いく分ドル買いが優勢。ポルトガルの銀行の問題とあって、ユーロやポンドは対ドルでじり安。ユーロドルは1.3596ドル、ポンドドルは1.7121ドルまで下げた。また、株価動向に敏感に反応しやすいとされるオセアニア通貨も上値は重かった。豪ドル/ドルは0.9378ドル、NZドル/ドルは0.8804ドルまでそれぞれレンジ下限を広げた。ただ、値幅が一番大きかった通貨でも20pに満たないなど、全体的には落ち着いた値動きだった。
 
午後は、様子見ムードが強まるか。今回のバンコ・エスピリト・サント問題に始まったリスク回避の連鎖は東京タイムでいったん休止した。システム不安につながるとの懸念は徐々に薄らいでいるようだ。株価動向次第では、ドル円・クロス円はもう一段下値を切り上げる可能性はある。もっとも、この話題に関しては欧州タイムがメインの時間帯と考えられるため、なかなか本邦勢も仕掛けづらい。欧州勢が参入してくるまでは、様子見ムードが強くなるか。