東京市場 午前概況 ユーロ安・円高、急進左派が躍進

2015年01月26日 12:52

午前はユーロ安・円高。ギリシャ総選挙で事前予想通りに急進左派連合が躍進し、組閣に向けた第1党となったうえ、開票過程で300議席の過半数を確保しそうな勢いをみせたことが背景。獲得議席数はまだ確定していないが、反緊縮財政を唱えてきた急進左派連合の強さが見せつけられたことで、これまでギリシャを支援してきた欧州連合や国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)との債務交渉難航が予想されている。ギリシャのユーロ圏からの離脱が交渉のカードとして利用される可能性が高く、ギリシャを中心にユーロ圏は再び混乱しそうだ。ただ、ギリシャのユーロ離脱やデフォルトにそれほど現実味があるわけでもなく、ユーロ売りや円買いは反転している。最終的には穏便な落とし所に行き着くとの見方は多い。いつか見た風景である。
 
ユーロドルは1.1098ドル、ユーロ円は130.16円まで下げた。ユーロドルは2003年以来、ユーロ円は2013年9月以来の安値を更新。先週ECBが追加緩和を決定したことも引き続きユーロの重し。下げ一服後、ユーロドルは1.1203ドル、ユーロ円は131.88円まで戻りを試した。
 
ドル円は117.26円、ポンド円は175.76円、加ドル円は94.12円、豪ドル円は92.18円、NZドル円は86.86円まで下げたが、日経平均株価の下落幅は大きくならず、円買いは次第に後退した。本邦貿易統計や日銀金融政策決定会合議事録は材料視されていない。
 
12月の本邦貿易統計で、輸出額(季調前)は6兆8965億円となり、前年比+12.9%となった。増加は4カ月連続。数量指数は同+3.9%だった。自動車や半導体などの電子部品の増加が寄与した。季調済みの輸出額は2008年以来の高水準に達している。
 
東京午後は、ユーロ安・円高が一服した後の落ち着いた流れが継続しそうだ。ギリシャ総選挙の結果が確定し、急進左派連合が単独過半数を確保するようなら再び動意付きそうだが、そうでなければ欧州勢の参入待ちへと移行するだろう。