東京市場 午前概況 ドル高に調整、ドル円は107円割れへ
2014年09月16日 12:06
東京午前の為替市場はドルが小幅安。米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、ドルの持ち高を縮小する流れが優勢となった。ドル円は、米長期金利が2.57%付近まで低下する中、昨日安値を下回って106.93円までレンジ下限を広げた。今週のFOMCで利上げ開始時期に関して何らかの示唆があるのではとの期待から、ドルの底堅さが意識される一方で、期待が先行しすぎているとの見方もあって、イベントを目前にドル高への警戒感がいく分広がったようだ。
ユーロドルは1.2961ドル、ポンドドルは1.6250ドル、ドル/スイスフラン(CHF)は0.9334CHF、ドル/加ドルは1.1038加ドルまでドル安・他通貨高が進んだ。また、豪ドル/ドルも0.9054ドルまで上伸。本日公表された9月開催分のRBA議事録で「資産価格の上昇リスクを意識した政策運営が必要」と、金融引締めを連想させるような文言があったことが、豪ドルを下支えしたもよう。ただ、議事録の内容は「金利の安定的な期間を設けることが賢明な道筋」と大筋はこれまでの見解が維持されていたことから、豪ドルの上昇幅は限られた。
クロス円はドル円と他通貨の動向に挟まれて、明確な方向性は定まらなかった。ユーロ円は138円半ば、ポンド円は173円後半、豪ドル円は96円後半とNY終値近辺での推移が続いた。
この後は、日銀総裁の発言待ちの様相となるか。黒田日銀総裁は、午後に大阪経済4団体共催懇談会で挨拶した後に会見を行う予定。足元の本邦経済に対する悲観的な見方が強まるなかで、追加緩和に対する期待がくすぶっていることもあり、総裁がそうした部分に言及するかどうか注目されそうだ。