東京市場 午前概況 ドル高でドル円は120円手前

2015年03月02日 12:09

週明けの東京タイムではドル買いが先行した。ドル円は序盤に2004年4月以来の高値を塗り替えた日経平均株価の動向も下支えとなり、119.96円まで買われて節目の120円に迫った。先週末高値119.80円や、イエレン米連邦準備理事会(FRB)の議会証言時につけた119.84円も上回る堅調な推移。時間外の米長期金利が2%の大台を回復したこともサポートとなった。
 
ただ、日経平均は利益確定の売りに押されて一時マイナス圏へ失速。主要通貨に対するドル買いも落ち着くと、ドル円は伸び悩みに転じている。週末の中国人民銀行による貸出基準金利と預金基準金利の引き下げや、中国2月のPMIの改善などを通じた、リスクオンやオセアニア通貨への買いは限定的。豪ドル/ドルは早朝の薄商いのなかで0.7845ドルまで上振れたが0.7776ドルまで反落。NZドル/ドルも0.7591ドルから0.7527ドルまで下押した。
 
ユーロドルは1.1160ドルまで売られて1月26日以来の安値を書き換え、ポンドドルは1.5402ドルまで弱含みで推移。今週は明日の豪準備銀行(RBA)理事会を皮切りに、カナダ・英国・ユーロ圏で金融政策の発表が相次ぐ。中国の利下げもあり米国の政策面での優位性は意識されやすい。中国2月HSBC製造業PMI・改定値が50.7と、予想や速報値の50.1を上回って昨年7月以来の高水準を示現したことにも反応は薄い。
 
クロス円はドル円の円安よりもドル高による対ドルの各通貨の重さに影響を受けた。ユーロ円は133.71円、ポンド円は184.38円、豪ドル円は93.20円、NZドル円は90.22円、加ドル円は95.66円まで下げを先行させるなど円売りは盛り上がっていない。
 
午後のドル円は120円を見据えながらも一進一退の動きに終始するか。週末の米雇用統計に対する期待感などから下値では買いも入りやすいだろうが、一段高への手がかりは乏しい。いったん節目の手前で重さを確認したことからも、投機的なフローが強まるなどの要因がなければ上値追いには慎重になるか。