東京市場 午前概況 ドル買い衰えず、対主要通貨で高値更新
2014年09月09日 12:24
東京午前は昨日からの円安・ドル高の流れを引き継いで、ドル円は2008年10月以来の高値を更新。ユーロドルは2013年7月以来、ポンドドルは同11月以来の安値を塗り替えた。市場参加者の想定していたイメージと根強いドル高の動きにそごが生じつつあるようで、上値追いには慎重な意見は聞こえるが、値動きを見る限りではドル高警戒感は表面化していない。まだ息切れしていないようだ。
発表された8月7-8日開催分の日銀・金融政策決定会合議事要旨に手がかりは見当たらなかった。麻生財務相は「為替の急激な変動は望ましくない、穏やかな変動が望ましい」と述べ、一段のドル高に釘を差さなかった。「GDP下方修正でも景気認識に変更はない」、「秋の臨時国会に景気対策の補正予算を出すことはない」とも語った。
ドル円は106.29円、ユーロドルは1.2877ドル、ポンドドルは1.6077ドルまでドル高推移。豪ドル/ドルは0.9262ドル、NZドル/ドルは0.8257ドルまで下げた。時間外取引で米長期債利回りは上昇。日足が陰線続きの日経平均は本日も上昇して寄り付いた後に失速気味。
ドル円の堅調推移にサポートされつつも、クロス円の上げは鈍い。欧州通貨や資源国通貨がドル高に振れていることが背景。ユーロ円は136円後半、ポンド円は170円後半、豪ドル円は98円前半、NZドル円は87円後半でやや上振れた。
東京午後はドル高の流れが継続か。欧州中央銀行(ECB)の追加緩和や来週に控えるスコットランドの住民投票、本邦GDPの下方修正などから相対的にドルが買われやすく、複数のテーマが合流してドル高方向への流れを形成している。ドル上昇に過熱感はあっても、逆らう余地はない。ただ、ドル買いにもためらいがつきまとう。