東京市場 午前概況 ドル円120円後半でしっかり、資源国通貨は軟調

2014年12月09日 12:35

東京午前の為替市場では原油安を背景に資源国通貨を中心にドル買いの動きが見られ、ドル円は底堅い動き。麻生財務相や甘利再生相の発言が伝わったが、円安へのけん制発言は聞かれず。麻生財務相は「為替の水準についてコメントすることはない」としながらも、「円安になって景気がよくなり雇用が増えた」と述べた。先月21日に同財務相が「円の下がり方のスピートのテンポ早すぎる」との見解を示し、円が買い戻される場面もあった。原油安を背景に資源国通貨を中心にドル買いが優勢となる中、ドル円は一時121.01円まで上値を伸ばした。ただ、日経平均がマイナス圏で上値が重く、円を売り進める材料もとぼしい中、ドル円は120円後半に水準を戻した。
 
昨日に大幅下落したNY原油先物は時間外取引でもさえない動きとなり、資源国通貨は軟調。豪ドル/ドルは0.8246ドルまで下押し、2010年6月以来の安値を更新し、豪ドル円は99.56円まで弱含んだ。ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が、豪準備銀行(RBA)が来年3月と8月に25bpの利下げを行うとの予測を発表したことも、豪ドルの重しとなった。NZドル/ドルは0.7624ドル、NZドル円は92.05円まで下押したほか、ドル/加ドルは1.1494加ドルまで加ドル安が進み、2009年7月以来の1.15加ドル大台復帰が目前に迫った。
 
欧州通貨は小動き。ユーロドルは1.23ドル前半、ポンドドルは1.56ドル前半で動意が鈍く、ユーロ円は148円後半、ポンド円は189円大台を挟んで小幅上下動。
 
午後は重要な経済指標の発表や注目イベントは予定されていない。ドル円は120円前半で一定の底堅さを示しており、121円大台復帰を試す動きも見込まれるが、材料不足で動意は限られるか。