東京市場 午前概況 ドル円102円前半でもみ合い、ユーロは売り継続

2014年06月11日 12:01

東京午前の為替相場は小動き。日経平均は小反発し、1万5000円大台を回復した。また、時間外の米10年債利回りは約1カ月ぶりの高水準となる2.65%台に上昇したが、ドル円の反応は鈍く、102.30円台でのもみ合いでレンジはわずか11銭程度にとどまった。ドル円のボラティリティが低下している中、ユーロが主役となっている。ECBにより、一段の緩和策を講じる余地が残されており、ユーロの上値は重い。昨日のNYタイムではユーロ売りが一服したが、東京タイムではユーロ売りが再燃。ユーロドルは1.3522ドルまで下げ幅を拡大し、ECBが追加緩和に踏み切った5日の安値1.3503ドルに近づいたほか、ユーロ円も5月末以来の安値となる138.34円まで弱含んだ。また、ポンドも重い動きで、ポンドドルは1.6738ドル、ポンド円は171.25円まで下押し、ともに小幅ながら昨日の安値を下回った。
 オセアニア通貨は小じっかり。豪ドル円は95円後半で底堅い動きも、引き続き96円大台復帰を目前に上値が抑えられている。豪ドル/ドルは0.9370ドル付近でもみ合い。明日にRBNZによる政策金利の発表を控え、NZドルは堅調な動き。NZドル円は5月20日以来の高値となる87.50円まで上昇し、NZドル/ドルは0.8547ドルまで上値を伸ばした。RBNZ政策金利は、25bp引き上げで3.25%になることが見込まれている。
 また、世銀は「世界経済見通し」で、今年の世界成長率見通しを1月時点の+3.2%から+2.8%に下方修正した。途上国の成長見通しを+5.3%から+4.8%に、先進国成長率見通しを+2.2%から+1.9%にそれぞれ引き下げた。ウクライナ危機や米寒波の影響が上半期の成長を抑制したことが背景にある。為替相場への影響は限定的。
 午後もドル円は102円前半で小動きが続きそうだ。102円半ばを超えた水準では上値が重くなるも、米長期債利回りの上昇や日経平均の底堅い動きが支えとなり、下値は限られるだろう。一方のユーロは売りが加速しており、ユーロドルは5日の安値1.3503ドルを試す動きとなるか。