東京市場 午前概況 ドル円 102円半ば、1-3月期GDPは上方修正

2014年06月09日 12:25

東京午前のドル円・クロス円は底堅い動きとなるも、値動きは限られた。先週末の米株高や本邦1-3月期GDPの上方修正を好感し、日経平均は先週末比100円を超える上げ幅で寄り付いた。ただ、買い一巡後は利食い売りも入り、やや上げ幅を縮小しての推移となった。午前に発表された1-3月期GDP・2次速報値は前期比で+1.6%、前期比年率では+6.7%となり、市場予想に反して1次速報値から上方修正された。また、同時に発表された4月の国際収支では、経常収支が1874億円の黒字で、市場予想を下回る黒字額だったものの3カ月連続の黒字となった。
 ドル円は本邦経済指標発表後にやや買いが優勢となり、102.65円まで上値を伸ばしたが、日経平均が伸び悩むなか102円半ばへ小幅に水準を下げ動意は限られた。米10年債利回りは時間外取引で先週末の高水準を上回り、2.61%台まで上昇したが、反応は限られた。ユーロ円は5月14日以来の高値水準となる140.10円まで上昇後は139円後半に押し戻されたほか、ポンド円は172.55円を高値に172円前半での動きとなった。オセアニア通貨は小じっかり。豪ドル円は95.93円まで上値を伸ばし、5月14日以来の高値をつけたほか、NZドル円は87円前半で底堅い動きとなった。
 対ドルではまちまち。シドニー市場は女王誕生日の祝日で休場となったが、オセアニア通貨は対ドルで穏やかに上昇し、豪ドル/ドルは0.9353ドル、NZドル/ドルは0.8517ドルまでやや買いが優勢となった。週末8日発表された中国5月貿易収支は、輸出が予想を上回る伸びとなった一方、輸入が減少し、同国の成長力への不安を高める内容とみられているが、オセアニア通貨に目立った反応は見られなかった。また、ユーロドルは1.3640ドル台、ポンドドルは1.68ドル付近で狭いレンジ内の上下にとどまった。
 午後もドル円は102円半ばを中心に動意に乏しい展開が続くか。先週末の米雇用統計をきっかけにドルの方向感が明確になるとの期待感もあったが、相場の流れに変化は見られない。米雇用統計は、労働市場の緩やかな改善を確認する結果となったものの、FRBが年内に金融引き締めに動くとの思惑は強まっていない。