東京市場 午前概況 ドル円は104円に迫る、豪ドルは中国指標受け下落

2014年08月21日 12:19

東京タイム午前、株価堅調を受けたリスク選好の円売りを支えに、ドル円は前日高値103.85円を上抜け、一時103.97円まで上昇。4月4日以来の104円台回復に迫った。日経平均株価は前日比で一時150円近く上昇。米10年債利回りがNY引けの2.426%から、2.44%付近へ水準を持ち直したこともドル円の底堅さにつながった。
 
クロス円も円売り優勢で、ユーロ円は一時137.73円、ポンド円は172.40円、スイスフラン(CHF)円は113.70円まで上昇した。
 
一方で対ドルでは昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録のタカ派的な部分を意識したドル買いの流れを引き継ぎ、各通貨とも軟調だった。ユーロドルは1.3242ドル、ポンドドルは1.6576ドルと昨日の水準を下回った。逃避先通貨のスイスフランはリスクセンチメントの改善も材料となったようで、0.9146CHFまで対ドルで弱含んだ。
 
豪ドルは、弱い中国8月HSBC製造業PMI・速報値(結果50.3、予想51.5、前月51.7)を受けて下落。オセアニアと交易を通じ経済的に深い関係にある中国の景況悪化が重しとなった。豪ドル/ドルは一時0.9238ドル、豪ドル円は96.02円まで下振れ。NZドル/ドルは0.8348ドル、NZドル円は86.70円台へ下押した。加ドルも対ドルで1.0983加ドルまで加ドル安に。加ドル円は94.69円まで円安推移を先行させたものの、94.50円台まで小幅安となった。
 
ドル円は104円回復に迫ったものの、中国HSBC製造業PMIの弱さもあってリスク選好の円売りを強めきれず、大台回復はいったんお預けとなった。午後はしばらく落ち着いた動きとなり、動意が再び強まるのは東京タイムの円安維持をながめて参入してくる欧州勢の仕掛け的なドル買い・円売りを待つことになるか。もっとも、本日が初日の米ジャクソンホールでのカンザスシティ連銀経済シンポジウムにおいて、注目のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長講演が明日に予定されていることから、イベント待ちでこのまま様子見ムードが強まる可能性もある。