東京市場 午前概況 ドル円、2カ月ぶり高値 株高・円安の好循環で

2014年04月02日 12:42

午前の為替市場は円がほぼ全面安。海外時間でのリスクオン地合いが尾を引く中、投資家心理の改善から株高・円安の好連鎖が続いた。日経平均株価は3月12日以来の1万5000円回復を果たしたほか、ドル円も2カ月ぶりの高値となる104円回復に迫った。公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、「高収益の日本株を組み込んだファンドへの投資を始める」との海外時間で流れたニュースが海外勢中心に意識されているとの声も聞かれた。また、日銀が発表した「企業の物価見通し」は、全規模全産業の平均で1年後が+1.5%、3年後は+1.7%、5年後は+1.7%と、どの年限でも日銀の目標値2%に届かなかったが、市場ではそれほど材料視されなかった。
 ドル円は、米長期金利が上昇するなか、3月高値の103.77円を超えると上昇の勢いが加速し、103.94円と1月23日以来の高値をつけた。また、ユーロ円は143.46円、ポンド円は172.86円、スイスフラン円は117.69円、豪ドル円は95.98円、加ドル円は94.21円まで上昇幅をそれぞれ広げた。ドルストレートも、クロス円の動きに連動。ユーロドルは1.3805ドル、ポンドドルは1.6635ドルまでレンジ上限を広げるなどじり高で推移した。
 こうした中で、オセアニア通貨はさえない展開に。NZドルは、対豪ドルでNZドル高に調整が入ったことをきっかけに対ドル・対円でも下落。また、NZの商品価格調査で、主力輸出品の乳製品価格が4カ月ぶりに低下したことも上値を重くした。NZドル/ドルは0.8587ドル、NZドル円は89.16円まで下げた。また、豪ドルも上値が重かった。豪2月住宅建設許可が-5.0%と、市場予想-2.0%より悪い結果となったことから、豪ドル/ドルは0.9223ドルまで下げた。ただ、豪州の住宅市場のもち直し基調は崩れておらず、豪経済に対する懸念が強まらなかったほか、NZドルに対する上昇が下支えとなって、下値は限られた。
 この後は、目立った経済イベントがないこともあり、午前までのリスク選好の流れが大きく後退する可能性は小さいだろう。ドル円・クロス円は、しばらく底堅い展開が見込めそうだ。ただ、足もとの上昇が急だったため、株価が伸び悩んだ場合は利益確定売りが強まる展開もあるか。