東京市場 午前概況 ドル円、底固いが102円前半での重さ変わらず

2014年05月12日 11:41

東京午前の為替相場でドル円・クロス円は底固い動きとなったものの、上値は限られた。週明けの日経平均は反落スタート後に一時プラス圏に切り返したが、買い進める材料も乏しく前引けにかけて再びマイナス圏に沈んだ。また、米10年債利回りは時間外取引で一時2.640%台まで上昇するなど堅調な動きとなった。米長期債利回りの上昇を支えに、ドル円は101円後半の底固い動きから上値を102.05円まで伸ばした。ただ、ウクライナ情勢への懸念も意識され、102円前半での重い地合いは変わらず。ウクライナ東部2州で11日に住民投票が強行され、親露派勢力が「独立賛成」の結果を発表する可能性が高くなり、ウクライナ情勢の混迷化が警戒されている。午前に発表された3月の経常収支は1164億円の黒字で市場予想を下回ったが、2カ月連続の黒字となり、同貿易収支はほぼ予想通りの1兆1336億円の赤字となった。また、2013年度の経常収支は7899億円の黒字で、過去最小の黒字額となった。
 ユーロ円は140.36円、ポンド円は172.02円、NZドル円は88.06円、加ドル円は93.61円まで上値を伸ばすなど、クロス円は小じっかりも、ドル円が伸び悩むなか方向感は鈍い。ドルストレートは新規材料も乏しいなか動意は限られ、ユーロドルは先週の安値水準1.37ドル半ばで戻りの鈍い動きが継続し、ポンドドルは1.68ドル半ば、NZドル/ドルは0.86ドル前半の狭いレンジ内で上下。また、豪ドル/ドルは0.93ドル半ば、豪ドル円は95.50円を頭に95円前半で小動き。豪4月NAB企業景況感は前月を下回る±0となり、同企業信頼感は前月を上回る+6となった。この結果に豪ドルの反応は見られなかった。
 午後も手がかりになりそうな材料も乏しく、為替相場は小動きが続きそうだ。ドル円は101円半ばで底固さを示している一方で、102円前半での重さも確認されており、方向感を探る展開は継続しそうだ。102.20円付近の21日移動平均線や日足一目均衡表・転換線が引き続き上値抵抗として意識されるだろう。