東京市場 午前概況 ドル円 株安で米雇用統計前の水準へ下押す

2014年07月08日 12:20

東京タイムでは円高が先行。欧米株安の影響を受けた日経平均株価の続落や、5月国際収支で経常収支が市場予想を上回る黒字を確保したことで円を買う動きが強まった。ドル円は日経平均が前日比150円安前後まで下げ幅を広げる動きにあわせて101.68円まで下落。200日移動平均線を再び割り込み、米雇用統計前の水準まで下値を広げた。クロス円でも円買いが進み、ユーロ円は138.39円、ポンド円は174.27円、豪ドル円は95.34円、NZドル円は89.01円、加ドル円は95.20円まで下押した。ただ、対ドルの底堅さで下値が限定的にとどまると、株価の下げ幅縮小を受けて反発。豪ドル円は95.61円まで切り返したほか、そのほかもおおむね下げ幅を縮める展開。ドル円も101.80円前後まで切り返した。
 
対ドルは海外市場からのじり高を継続。ポンドドルは1.7148ドル、NZドル/ドルは0.8773ドル、ドル/加ドルは1.0677加ドルまで小幅ながら対ドルで上昇。豪ドル/ドルは0.9396ドルまで買われて大台回復を視野に入れた。ナショナル・オーストリア銀行(NAB)が発表した6月の企業景況感が、前月の-1から+2へ改善。同信頼感も+8へと上昇したこともポジティブと捉えられ底堅さに寄与した。一方、ユーロドルは対ポンドでのユーロ安地合いに圧迫されて上値は1.3610ドルまでとさえない展開。
 
足元、円相場を動意づかせる材料に乏しいことから、株価動向に影響を受けやすい展開が続きそう。日本時間14時発表の、6月景気ウォッチャー調査を受けた引けにかけての株価の動きには一定の警戒が必要だろう。ただ、株価も下落した欧米市場の流れを見極めたいとの思いから手控え感が強まってくることも想定される。大手金融機関の一部で、米利上げ開始時期の予想を前倒しする動きも見られており、早期利上げ期待が強まればドル高圧力は高まろうが株価にとってはネガティブな材料にもなる。ドル円は101円後半を中心とした推移が続くことになりそうだ。