東京市場 午前概況 ドルはしっかり、成長見通し引下げでNZドルが安い

2014年08月19日 12:16

午前の為替市場では、昨日の海外市場で進んだドル高地合いが継続した。ドル円は昨日高値を上抜けて102.65円まで強含んだ。一方で、ユーロドルは昨日安値に並ぶ1.3353ドル付近まで押し戻された。引き続き、米国の経済回復への期待感がドルを下支えする一方で、ウクライナ情勢の混迷を受けたユーロ圏の成長に対する不透明感がユーロの重しとなっている。
 
また、ドルは幅広い通貨に対して上昇。昨日、BOE総裁の発言を手掛かりに買い進まれたポンドドルは1.6715ドルへ反落、ドル/スイスフラン(CHF)は0.9072CHF、ドル/加ドルは1.0895加ドルまでドル高推移。また、NZドルも軟調。さえない物価指標や成長率見通しの引き下げ、さらには、対ドルで目先のサポートラインだった200日線を割り込んだことも影響して、下げ幅を拡大。NZドル/ドルは0.8426ドル、NZドル円は86.47円までNZドルが弱含んだ。NZ4-6月期生産者物価指数は-1.0%と、1-3月期から低下し。インフレ鈍化懸念に伴って、中銀の追加利上げ期待がいく分後退した。また、NZ財務省は2014-15年の成長率予想を従来の+4.0%から+3.6%へ引き下げた。
 
豪ドルも上値の重い展開。8月5日開催分の豪準備銀行(RBA)理事会議事録では「金利の安定的な期間となる見通し」としながらも、「4-6月期によりGDPの伸びは緩やかになった可能性」、「成長見通しに多大な不透明感」など、見通しに対して弱めな内容が並んだ。市場は議事録公表後に買いで反応したものの、ハト派寄りと感じられる内容だったこともあり、反発の勢いは限られた。豪ドル/ドルは0.9317ドルまで売り先行後に0.9341ドルまで反発したが、同水準で伸び悩んだ。豪ドル円は、95.62円までの下押しを挟んで95.87円まで買い戻される場面があった。
 
クロス円も、他通貨がドルに対して下押ししたことで上値も重かった。ユーロ円は137.00円、ポンド円は171.48円、CHF円は113.09円、加ドル円は94.16円までレンジ下限を広げた。
 
この後は、ドル円の上値が重くなることも。足もとのドルは底堅さがうかがえるものの、ドル買いが進むには新たな材料が必要と感じられる。明日以降の米FOMC議事録公表やイエレンFRB議長講演がドル高の流れを醸成する手掛かりとなるか注目される。ただ、イベントを前にしてドル高の流れが限られそうなほか、米長期金利が2.4%を前に戻り歩調が一服していることがドルの上値抑制要因となることもありそうだ。
 
 
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