東京市場 午前概況 オセアニア通貨が好対照 ドル円の上値追いは一服

2014年09月11日 12:14

東京タイム午前はオセアニア通貨に動意があった。NY引け後に発表されたNZ準備銀行(RBNZ)金融政策では、政策金利が5会合ぶりに据え置かれた。声明では当面は利上げを見送ることが妥当であるとの見解があった。利上げサイクルのいったんの休止は想定内だったが、声明や総裁会見で現行のNZドルの水準は持続不可能とし、一段の下落を見通したことが売りにつながった。NZドル/ドルは2月以来の安値0.8184ドルを示現。NZドル円も87.42円まで売られ、前日の上げ幅を帳消しにした。
 
一方、豪ドルは豪8月雇用統計で買いが優勢に。8月の就業者数の増加幅が統計開始以来で最大となり、失業率も予想以上に改善したことが好感された。豪ドル/ドルは朝方の0.9142ドルから0.9218ドルまで、豪ドル円は97.68円から98.35円まで上昇。ただ、同時刻に発表された中国8月の物価指標が市場の想定を上回る鈍化だったことで、全体的に市場のマインドが悪化。豪ドルも上げ幅を削る展開に転じている。
 
ドル円は106.64円、ユーロ円は137.74円、ポンド円は172.78円まで弱含み。時間外の米長期金利が先日の反動から低下を先行させたほか、日経平均株価の伸びが限定的だったことも背景。中国の物価統計も重しとなった。7-9月期景況判断BSIは、軒並み前期の大幅なマイナスから持ち直した。ただ、前回時点の見通しと比較すると弱めの結果にとどまっている。ユーロドルは1.2907ドル、ポンドドルは1.6186ドルまで失速。NY引け値水準からの値幅自体は小幅だったが、クロス円の弱さにも引きずられる格好で軟調。
 
日本時間正午から、安倍首相と黒田日銀総裁が5カ月ぶりに会談を実施することが伝わっている。増税後の経済状況などについて意見を交わす見通しで、この後の材料が乏しかったことから注目する市場参加者も多い。ただ、会談の内容が伝わるかはまだはっきりしていない。公表されても増税の見送りや日銀の追加緩和期待を腰折れさせるようなサプライズはないと思われる。ドル円は下押しを継続させても調整の範囲内にとどまるだろう。
 
 
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