本日の見通し(東京市場 為替) 注目指標複数、方向感が定まらない展開も

2014年04月01日 08:47

昨日の海外市場ではドルが軟調。米3月シカゴ購買部協会景気指数が弱く、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が「経済には異例の支援が当面必要」などと述べたことが手がかりとなった。ドル円はリスク選好パターンのなかで103.44円まで上昇後、103円割れへと失速。クロス円もドル円と同様に高値更新後は伸び悩んだ。ただ株高の流れを受けて、ドル円・クロス円の下値も限定的だった。一方、オセアニア通貨は堅調で、豪ドル円は95.74円まで上昇し昨年6月以来の高値をつけた。ユーロドルもしっかり。ユーロ圏の物価指数ではディスインフレ傾向が強まったが、ある程度市場は織り込み済みといった感じで、売り一巡後は1.3810ドルまで切り返した。
 東京タイムでは注目指標が複数発表されるため、ドル円・クロス円はこれらの結果を通じての上下動が見込まれる。本邦では、3月調査日銀短観が発表される。市場予想は12月調査から改善が期待されているが、市場予想に届かなかった場合、7-8日開催の日銀金融政策決定会合に向けて追加緩和をめぐる思惑が醸成されて円売りが進むだろう。ただ、仮に円安が強まったとしても、海外の指標結果次第ではその流れが反転するかもしれない。海外では、中国3月製造業PMIや豪準備銀行(RBA)・理事会の結果などが公表される。中国に関しては、李克強首相がインフラ整備を加速する考えを表明しており、今回の調査がさえなくても、急速にリスク回避が強まらないだろうが、市場センチメントを弱める可能性はあり、一応注意したい。
 また、RBAへの警戒も怠れない。当局者が豪経済に対する前向きな見方を示していることで、通貨高への警戒心も緩んでいる。声明文のハト派色が薄らぐようなら、豪ドル買い戻しが進む展開はある。しかし、目先失業率の悪化見通しがあるなかで、直ちにタカ派な内容になるとの期待はいささか乱暴だろう。声明文が予想ほどタカ派に振れなければ、豪ドルはポジション調整から反落することはあり得る。とはいえ、今週後半のECB理事会や米雇用統計までを見据えれば、東京タイムの結果だけで一方向にポジションを傾けるような状況にはなく、イベント結果を受けて上下動しながらも全体的な方向感は出づらいかもしれない。