本日の見通し(東京市場 為替) 日銀総裁の会見内容が尾を引くも、円買い一服か

2014年04月09日 08:00

NYタイムは円買い・ドル売りが優勢。米金利が2.67%台まで低下を続けたことから、日経平均先物の下落をともなって、ドル円は3月19日以来の安値101.55円まで下落した。東京タイムに、日銀金融政策決定会合が市場の一部にあった追加緩和の思惑にそむく内容にとどまったことから円買いが進んだが、NY勢にその流れを蒸し返す動きもあったようだ。主要通貨は対ドルで強含み、ユーロドルは1.3812ドル、ポンドドルは1.6755ドル、豪ドル/ドルは0.9366ドルまで上昇した。
 先週のドル円は104円前半まで水準を切り上げ、1月上旬以来の105円台復帰を射程圏内にとらえていたが、米雇用統計や日銀金融政策決定会合を通過して3月19日以来の安値水準となる101円半ばまで下落した。日銀が消費増税のタイミングで景気下支えのために追加緩和に踏み切るとの観測もあったが、黒田日銀総裁は会見で「現時点で追加緩和を検討していない」と表明し、市場参加者の一部の失望を誘ったことも円買い・ドル売りにつながった。また、国際通貨基金(IMF)は「世界経済見通し」で今年の世界経済の成長率予想を3.6%に引き下げ、日本の成長率予想も前回の1.7%から1.4%に引き下げた。IMFは消費増税が日本の成長率を押し下げる恐れがあるとの見方を示した。日銀総裁の発言が尾を引き、本日もドル円は上値の重い動きとなりそうだが、日銀の「異次元の質的・量的緩和策」は継続されており、ドル円の下押しは限られるだろう。東京タイムでは注目のイベントが予定されておらず、日経平均の動向を眺めながらの展開になりそうだ。