本日の見通し(東京市場 為替) 日銀会合の結果や黒田総裁の発言見極め

2014年04月08日 08:01

NYタイムは、資産買い入れなど非伝統的な金融緩和策からやや距離感を保った欧州高官の発言を受け、ユーロなど欧州通貨買いが先行した。メルシュECB理事は「量的緩和は理論上の概念、実施までの道は長い」、ノボトニー・オーストリー中銀総裁は「追加利下げは排除されていない」としながらも「直ちに行動する必要はない」と述べた。ユーロドは一時1.3749ドルまで上昇。ポンドドルも1.6624ドルまでじり高となった。ドル円は103円の節目は維持したものの、株安・債券高を背景に103円前半で上値の重い動きとなった。
 日銀の金融政策決定会合の結果公表や黒田日銀総裁の記者会見待ちの展開となりそうだが、米株・米長期債利回りの続落を受けて、ドル円は引き続き上値が重く下値模索の動きが警戒される。また、ウクライナ東部では、親ロシア派のデモ隊が複数の都市で市庁舎などを占拠するなど、ウクライナ危機のクリミア以外への拡大警戒感も、リスク回避地合いを強める可能性はありそうだ。日銀金融政策決定会合では、今月からの消費税率引き上げの影響や今後の景気・物価動向が議論される。金融政策は導入から1年が経過した量的・質的金融緩和の継続が見込まれるが、ごく一部には追加緩和を見込む声もあり、現状維持の結果となればドル円に失望売りが持ち込まれる可能性はありそうだ。東京タイムでは、本邦経常収支や貿易収支の発表が予定されている。前回1月の経常収支は過去最大の経常赤字となり、4カ月連続の赤字となったが、今回は黒字転換が予想され、貿易収支も前回の赤字額を大幅に下回る結果が見込まれている。