本日に見通し(株式) 建設やセメントなど国内景気回復に焦点絞った物色や、五輪関連などに広がりも

2013年07月08日 08:50

 東京市場は米国株の上昇や円安進行を受けて堅調な展開へ。米景気回復期待を理由に、米国比率の高い外需関連株に見直し買いが予想される。一方、先週まで の上昇による短期的な過熱感に加え、新規材料に乏しく買い一巡後は積極的に上値を追いづらい。主力の自動車や銀行、不動産などは戻り売りが強く、東証一部 全体的には鉄鋼、鉱業などの出遅れ物色の様相が続く見込み。建設やセメントなど国内の景気回復に焦点を絞った物色の広がりなども見えてくるだろう。投資家 心理は改善してきており、オリンピック関連などを目先狙いで物色する余裕もでてきたようだ。

 国内企業の4-6月期の決算発表は7月下旬 からスタートするが、米国では今週から一足先に主力企業の決算発表がスタートする。トップバッターのアルミニウム大手のアルコア(7/8)が商品市況の下 落を背景に、予想に対しどのような着地を示すかが注目されよう。そのほか、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ(7/12)が予定している。

  日経平均の予想レンジは14300円-14480円。一目均衡表では基準線(13362円)が下げ止まったことや、転換線(13534円)は強気の上昇が 続く。今週は抵抗帯(雲)を越えられるかが注目される同時に、遅行線は当時の転換線や基準線を越えていかなければいけない。短期的な上値メドは、 14400円処、14800円処、15400円処など。主要な下値メドは、転換線13534円、基準線13362円、25日線13298円、12920円 処など。変化日は7/5-8、12-16、23-24前後となる。

 5日のNY株式市場は大幅上昇。ダウ平均は前日比147.29ドル高 の15135.84ドルで終了した。予想より強い6月雇用統計・非農業部門雇用者数の結果を好感し買いが先行したが、米10年債利回りの上昇による景気回 復の遅れや、FRBによる量的緩和政策の規模縮小が警戒され、一時は前日終値を下回る水準まで下落した。一方、大手金融機関が地銀の業績について前向きな 見方を示したほか、金利上昇による利ざや改善期待から金融機関全般に買いが入り指数をけん引した。
 NASDAQは前日比35.71ポイント高、S&P500は16.48ポイント高で終了。円建てのCME225先物は先週末の大証日中終値と比べ80円高の14420円、ドル建ては205円高の14545円で終えた。