ロンドン市場 為替概況 ポンド急落、弱い英鉱工業生産を受け

2013年07月09日 20:40

9日のロンドン市場では、ポンドが売られた。この日発表された英鉱工業生産など一連の英経済指標が弱かったことが背景。

序盤は円安・ドル安とリスク選好ムードが優勢だった。日本株やアジア株が堅調に推移し、欧州株も続伸してスタートした。豪ドル買いが先行し、ユーロやポンドも連れ高となった。豪ドル/ドルは一時0.92手前水準、豪ドル円は93円手前水準まで買われた。ユーロドルは1.29手前水準、ユーロ円は130.50台へとこの日の高値を伸ばした。

日本時間17時半に発表された5月の英鉱工業生産は前月比横ばい(予想+0.2%)、前年比-2.3%(予想-1.5%)だった。同製造業生産高も前月比-0.8%(予想+0.4%)、前年比-2.9%(予想-1.6%)といずれも大幅に予想を下回った。5月商品貿易収支も赤字幅を拡大。この結果を受けてポンドが急落している。ポンドドルは発表直前に1.4980近辺とこの日の高値を更新していたが、発表を受けて一気に1.4905近辺へと売られた。ポンド円も151.60レベルから150.85近辺へと急落。対ユーロでもポンド売りが進んでいる。その後もポンド売りは続き、ポンドドルは1.4830近辺と3月12日以来の安値水準をつけた。ポンド円も150.20台と発表前から1円超の下落となった。

この動きを受けて、それまで堅調だった豪ドルやユーロもロンドン序盤の上げを消している。豪ドル/ドルは0.9140近辺、ユーロドルは1.2860近辺へと押し戻されている。一方、ドル円は101.00レベルから101.30レベルでの方向感に欠けた上下動となっている。欧州株は次第に上げ幅を縮小してきており、序盤のリスク選好ムードは後退している。この日はEU財務相理事会でラトビアのユーロ導入が正式に承認されたが、相場への影響は特段みられなかった。