ロンドン市場 株安契機に円安値の調整強まる

2014年12月09日 20:33

ロンドン午前の為替市場はドル安・円高。足もとの急すぎる円安への反動や、中国株の大幅安に伴うリスク回避ムードが円買いを誘った。また、昨日の市場予想比弱めの米労働市場情勢指数(LMCI)から、米雇用の質の改善に対する不透明感が意識されていることも、ドル高の調整を通じて、円買いの流れを後押しした側面はある。
 
ただ、主要国と米国の金融政策の方向性が違うことは明確で、円高・ドル安の流れは長続きしなかった。また、1%超下げ幅を広げていた欧州の主要株価指数の下値が限られたことも、円買いの勢いを和らげた。
 
ドル円は、120円を割り込み119.54円まで下げ幅を拡大。ただ、週末の衆院選への期待感がある中で、テクニカルな節目とされる119.50円割れを回避すると、120円付近まで持ち直した。クロス円も売りが先行。豪ドル円は98.79円と約1カ月ぶりの安値を示現したほか、ユーロ円は147.74円、ポンド円は187.50円、NZドル円は91.62円、加ドル円は104.20円、スイスフラン(CHF)円は122.88円へそれぞれ下げる場面があった。
 
他通貨は底堅く推移。ドル円の下落を受け、ドル高地合いが巻き戻されたことが下支えとなり、ユーロドルは昨日高値を上抜けして1.2368ドルまでレンジ上限を広げた。ポンドドルは1.5695ドル、ドルCHFは0.9720CHF、NZドル/ドルは0.7687ドルまで他通貨高推移。とはいえ、ドル安が限定的だったことから、買い一巡後は各通貨とも伸び悩んだ。ポンドドルについては、英10月鉱工業生産・同製造業生産が前月比で揃って市場予想に反してマイナスとなったことも、上値を抑えた一因とされた。