ロンドン市場 午前概況 ECB総裁発言を契機にユーロ安、中国は利下げ

2014年11月21日 20:55

ロンドン午前の為替市場は、ユーロ安・円高。ドラギECB総裁が「インフレリスクが顕在化すれば資産購入を拡大する意向」と述べたことで、くすぶり続けているユーロ圏の追加緩和が投資家に再認識され、ユーロ売りが強まった。また、ユーロ円下落を契機に、足もとの円安を巻き戻す流れも散見された。ただこうした流れも、中国人民銀行が利下げを実施したと伝わると、いく分和らいだ。
 
ユーロドルは、ドラギ総裁の発言を受けて、目先のサポートラインだった日足一目均衡表・転換線(1.2498ドル)を下回り、1.2424ドルまで下げ幅を拡大。ユーロ円も147円の大台を割り込んで、146.33円までレンジ下限を拡大した。他通貨でもドル買い・円買いの流れが強まり、ポンドドルは1.5626ドル、豪ドル/ドルは0.8606ドル、NZドル/ドルは0.7848ドル、ドル/加ドルは1.1326加ドルまでドルに対して他通貨が下落。また、ポンド円は183.98円、豪ドル円は101.49円、NZドル円は92.51円、加ドル円は103.89円まで下値を塗り替えた。
 
ただ、中国人民銀行が1年物預金金利を0.25ポイント引き下げ2.75%にすると伝わったことから、資源国通貨を中心に買い戻しが入った。豪ドル/ドルは0.8723ドル、NZドル/ドルは0.7947ドル、ドル/加ドルは1.1277加ドルまで資源国通貨が買い戻され、豪ドル円は102.66円、NZドル円は93.52円まで急反発。加ドル円も104円半ばへ切り返した。他通貨も対ドル・対円での下落の勢いが和らいだ。
 
スイスフラン(CHF)は当局の為替介入への警戒感が上値を重くした。ツアブリュックSNB(スイス国立銀行)理事は「対ユーロでの防衛ラインである1.2000CHFが破られるようなら、ユーロ買いの準備をしなければならない」と述べた。ドルCHFは0.9676CHF、CHF円は121.70円までCHF安が進む場面があった。
 
こうした中で、ドル円も117円後半で上値が重くなった。ただ、中国の話題から下げ幅は限定的だった。円買いの動きは、本邦の3連休や来週の米国の感謝祭休暇を控えるなかで、急速に膨らんだ円安ポジションが、ユーロ圏の話題に引っ掛けられて巻き戻された印象だった。