ロンドン市場 午前概況 欧州通貨売り、さえない小売でポンドも重い

2015年02月20日 20:41

ロンドン午前はユーロ中心に欧州通貨売りが強まった。一方で、原油価格の反発を受けて資源国通貨は底堅い推移に。また、ユーロ円やポンド円の下落を通じて、ドル円もレンジ下限を広げる場面があった。
 
ユーロは、今晩のユーロ圏財務相会合の行方が注目される中、リンネ・フィンランド財務相が「ギリシャに新規の資金は提供しない」と述べたことで売りが先行。ユーロドルは1.1304ドル、ユーロ円は134.10円まで水準を下げた。売り一巡後は、ギリシャ国債が上昇(利回り低下)したほか、対ポンドでのユーロ売り・ポンド買いが巻き戻されたことから、ユーロドルは1.13ドル半ば、ユーロ円は134円半ばまで下げ幅を縮小したが、先行きへの不透明感から戻りは鈍かった。ユーロ圏の2月総合PMIは53.5と、昨年7月以来の高水準となったが、ユーロ圏財務相会合を前にして、市場の反応は鈍かった。
 
ポンドドルは1.5353ドル、ポンド円は182.12円までレンジ下限を拡大。さえない英小売売上高が重しとなった。スイスフラン(CHF)は続落。スイス国立銀行(SNB)の対ユーロ上限撤廃の影響が、スイス経済を圧迫しているとの見方が重しとなった。ドルCHFは0.9536CHF、CHF円は124.39円、ユーロCHFは1.0812CHFまでそれぞれSNBが上限撤廃を表明して以降のCHF安水準を塗り替えた。市場では、SNBが経済の下支えのため、為替市場でCHF売り介入に踏み切るとの警戒感が高まっている。
 
欧州通貨が対円で崩れたことから、ドル円も118.59円まで下げ幅を広げた。こうした中で、資源国通貨はしっかり。原油価格の反発や、対欧州通貨での上昇がサポートに。豪ドル/ドルは0.7847ドル、NZドル/ドルは0.7553ドル、ドル/加ドルは1.2422加ドルまで資源国通貨高。対円では、豪ドル円が93.13円、加ドル円は95.53円までレンジ上限を広げ、NZドル円は89円前半で底堅く推移した。