ロンドン市場 午前概況 材料難で小動き、欧州通貨の一角は高い

2014年05月30日 20:00

ロンドン午前の為替市場は小動き。手掛かりとなりそうな経済指標の発表はなく、各通貨とも精彩を欠く値動きだった。ビスコ伊中銀総裁が「低インフレ傾向が続けばECBは行動する用意」と述べたが、市場ではすでにECBが緩和に踏み切るとの見方が優勢で、特段の反応はなかった。
 ポンドは買いが先行。東京タイムに発表された英5月GfK消費者信頼感が、2005年4月以降で初めてマイナスから脱却したことが見直された。ポンドドルは1.6758ドル、ポンド円は170.33円まで上昇幅を広げた。ただ、ポンドドルで1.6760-70ドルに観測される断続的な売りオーダーが意識されて、買いの勢いは失速。その後は、ポンドドルが1.67ドル前半、ポンド円が170円前後でもち合った。
 ポンド高に引っ張られて、ユーロやスイスフラン(CHF)も強含む場面があった。ユーロドルは1.3618ドル、ドル/CHFは0.8961CHF、ユーロ円は138.46円、CHF円は113.44円まで欧州通貨が買われた。
 一方で、オセアニア通貨は上値が重かった。欧州通貨に対して下げたことが、他通貨にも波及。豪ドル/ドルは0.9300ドル、豪ドル円は94.55円までレンジ下限を広げた。また、好調な住宅指標を受けて東京タイムに買われたNZドルも、上昇の勢いが緩和した。
 この間、ドル円は101.60円台でもち合い。米長期金利が2.46-2.48%で上下したことに連動して振幅したが、値幅は限られた。